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草野河豚

Author:草野河豚
東北人。現在は実家で修行中。
乱読気味で、読む本にバラつき有り。
ラノベ・ミステリ・ファンタジーを比較的好む。
あと軽くオタ入ってます。

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太宰治『人間失格・桜桃』
人間失格;桜桃
人間失格;桜桃

 「太宰の文章は吐き気がするほど読みにくいが、それでも悪文なりに読ませる物をもっている」と聞いて、読んでみました。読んだ作品が適切かどうかわかりませんが、一応感想だけ。

 内面描写が上手いと思いました。ある場面の心情を、途切れることなく連綿と書きつづけているのが一つの理由だと思います。一文を読み逃すと何を言っているのか分からなくなるのですが、それが逆に読者に深く読ませる結果となっているのではないかと。(あまり冗長な所は寝落ちしそうになりましたが)

 今作は手記という体裁なので、内面描写が中心となるのは当然かもしれません。

 葉蔵の気持ちが痛いほど理解できる(ような気がする)ので、さほど不快には感じませんでした。今鬱ですが。

 もうちょっと人と接する事を覚えよう、と思った一冊。

 堀木は、大きい咳ばらいをしました。自分は、ひとり逃げるようにまた屋上に駈け上り、寝ころび、雨を含んだ夏の夜空を仰ぎ、そのとき自分を襲った感情は、怒りでも無く、嫌悪でも無く、また、悲しみでも無く、もの凄まじい恐怖でした。それも、墓地の幽霊などに対する恐怖ではなく、神社の杉木立で白衣の御神体に逢った時に感ずるかもしれないような、四の五の言わさぬ古代の荒々しい恐怖感でした。自分の若白髪は、その夜からはじまり、いよいよ、すべてに自身を失い、いよいよ、ひとを底知れず疑い、この世の営みに対するいっさいの期待、よろこび、共鳴などから永遠にはなれるようになりました。実に、それは自分の生涯において、決定的な事件でした。自分は、まっこうから眉間を割られ、そうしてそれ以来その傷は、どんな人間にでも接近する毎に痛むのでした。

<第三の手記>より



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読書日記 | 23:48:10 | Trackback(0) | Comments(0)

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